熱さを内に秘めて

性欲ってのは食欲と眠欲が満たされた上でのものらしい、と聞いたことがある。長期的には確かにそうだろうが、食べることも眠ることも忘れてひたすら抱き合うなんて酔狂な真似はもうしません、たぶん。いや、もうできません体力的に…(笑)

好みの問題というのは難しくて、たとえば恋人がある趣味を持っていたとして、それに興味を持ってみるとかそういうことはできるだろう。だけど好みの志向ってのは、影響されてどうこうってことはあまりない気がする。新たに開拓されることはあっても。
性的なことに関しても同様で、自分が満たされる何か=つまり「好み」ってのはどうにも相手の嗜好に合わせるってことは難しい。とはいえ、それを基準に恋人を選ぶわけではないから(少なくとも私は)、そのへんは合えばラッキー☆てなもんで。十分条件ではあっても必要条件ではないということか。

さて、ここで問題がひとつ。「合わない」場合どうするか?
「合う」相手を見つけるか、自分ひとりで充足させるか、捌け口を求めるか。
最近酔っ払うということは性欲を満たすことに似ていることに気がついた。性欲を満たすということがどういうことなのかってのは個人によってさまざまだろう。
私の場合、何か自分の内に溜まったエネルギーのようなものを昇華させること、のような気がする。だから同じような気分になるものにはエクスタシーを感じるわけですが。酔っ払うと饒舌になって、じゅくじゅくとした自分の内にある何かをぶちまけ、頭がふわふわになってそのまま寝てしまうというその流れが、抱き合って満たされて寝てしまったときの気持ちよさと酷似していることにふと気づいたのだ。
そんなわけで夜な夜な酔っ払っている最近の私。気の合わない相手と気のすすまないセックスをするよりも、よっぽど健康的だろうと思うが、本当は気の合う相手と満足のいくセックスをするのが一番健康的なんだろう。まぁそんな暇も体力もないので、だらだらと酒を煽るのです。

「めくるめく官能の世界をあなたに…」なんて言われたところで、それを期待するだけの言葉のやりとりがなければやはり乗れないのです。性的なものにはやっぱりある程度「敷居」が存在する以上、それを超えるには時間か濃度が必要だということをあらためて認識した今日この頃なのでありました。