零細NPOって!

東京を皮切りに病児保育を手がけるNPO「フローレンス」の駒崎弘樹氏の今日のtwitterから引用。(twitterからの引用ってこんなんでいいのかしら?)

弊社では妊娠発覚時に母体保護のために在宅勤務への切り替え、ラッシュを避ける勤務時間の変更、配置転換等を行います。その後定期的に面談を行って業務量を調整し、産育休取得と共に代替要員の新規採用等に移ります。育休中は面談と懇親会でキープインタッチ。


復帰2か月前に復職面談をし、配属決定。復職後も面談を行い業務量とペースの調整を行います。復職者は基本的に時短勤務ですが、管理職のものは管理職で復職してもらいます。管理職は自由出勤なので、保育園の開閉園に合わせて勤務時間を決めます。


育休取得は仕事の仕組化を進める良いチャンスです。育休取得者の業務を全て棚卸しし、マニュアル化。取得1か月前から新人と並走させ業務を引き継ぎすれば問題ありません。また常に1タスク2ピープルにしておけば、急な休みや体調不良でも無問題。リスク耐性のある足腰強い組織になります。


社員70人の零細NPOでもできるわけなので、中小やまして大企業ができないわけはありません。働き方を変え、日本を変えていきましょう。女性でも子育て中でも、介護中でも、障がいがあっても、生産性高く幸福に働ける職場を創造しましょう。僕達1人1人が働き方革命の工作員になれば良いのです。

今の職場に来てから、育休・産休を取る人を身近で何人か見ることができて、働くことと妊娠ということがかなりリアルに可視化されたような気がする。というのは、
・妊娠してからの体調の変化には個人差がかなりある
・突然の入院とか、産休突入という事態に陥ることも高確率で起こりうる
・一方で、まったく業務に支障がないまま産休に入れる人もいる
ということが現実レベルで理解できたからだと思う。あと、出産後もバリバリ働く気でいて育児しながら仕事することがインフラ的には可能という人でも、出産後の心境変化が結構起こるもんなんだな(やっぱり子どもがもうちょっと大きくなるまでは育児に専念したい、と思うようになるとか)ということもわかった。
実際問題、収入がないと生活が…という状態だと「産休に入るまではほぼこれまで通り勤務可能」というシナリオのもとで生活設計するとリスクが大きい(生計を維持できない)。生まれてしまえば何とでもなる(かもしれない)けれど、とにかく無事に出産までたどりつけるっていうのは大変なことなんだな…と。
意外とこのあたりって議論されていないというか、考えられてないような。もちろん、産み育てる人に対しての支援は必要不可欠だけれど、出産・育児というような流動的かつ不安定なファクターをもつ人をメンバーとして抱える側に対する支援も同時にしていかないと、いつまでたっても出産・育児に対して積極的に支援していこうという会社(そして社会)は増えないのではないかと。そういう意味では、駒崎さんのいう「育休制度を整えることは、リスク耐性のある足腰強い組織づくりにつながる」という視点での提言は意味があることだと思う。
私が働きだして強く思うのは、「出産・育児というような他人の個人的事情でどうして自分が迷惑を蒙らなければならないのか?」と思っている人(男性に限らず女性でも!)のなんと多いことか!ということで、こういう人には単に「出産・育児はとても素晴らしいことです!」とお題目のように唱えても何の意味もないことで、一体どうしたらそういう空気を少しでも変えていくことができるのか?と。もちろん、「自分のこどもを産み育てること」だけが価値のあることではないわけで、それを押し付けることもまた偏った思想の押し付けだと思うのだけれども、それでもなんかもう少し寛容にならないもんかと思ったりする。

ところでNPOの社員70人は、日本においてはもはや「零細」どころか企業でいうなら「大企業」レベルなのでは?と思ったが、70名の勤務体制の詳細が分からないのでなんとも。有償ボランティアというレベルで考えれば、福祉系NPOなら十分ありえる数字かも。