歯のことで

思い出したことがひとつ。私の歯が少々哀れなことについては,今までに何度か母親から謝られたことがある。周りも「親の手が行き届いていない」的な評価をしていたことも度々。
でも,それは別に母のせいではない。エナメル質が不完全な状態であると診断してくれた医者は,その原因が何であるか特定することはできないと言っていた。アレルギー体質であったことも,母が悪いわけではない。子どもに何か不幸があってそれが体質的なものや先天的なものである時,母親が自責の念にかられるということは心情的にはよくわかる。けれども子どもは母のみよって生まれるのではないのだから,そこで母親が必要以上に自分を責める姿というのは,子どもにとっても辛いのではないかなと思う。
私の母は,少々破天荒な人ではあるし,辛かったことも正直多いけれど,それを補って余りあるほどに私や私のきょうだいを力を尽くして育ててくれたし,今でも大いに助けてくれている。歯のことについては,中学生になる頃までうちは「仕上げはお母さん〜♪」だったし……