夏にしたインタビューを今頃になって原稿に起こしている。
なんでもっと早くやっとかなかったんだ!!という意味もないツッコミを自分に対してしてみたりしているけれど、後の祭り。
インタビューは全部合わせて3時間分くらいあるのだけれど、そのうち今までに終わったのは3分の1ぐらいで、あと2時間分もあるのかと思うと萎える。

それにしても口述筆記とかしてる人ってすごいと思う。素直に尊敬する。
私はそもそも書くのが遅くて苦手で、タイピングには自信があるんだけど、とにかく手で書いて何かを記述することをしている人ってすごいと思う。
速記なんて専門の養成学校とかまであるもんなぁ。一種の「技術」なんだよなあ。

手で書くのが遅くて苦手とか言ってるんだけど、実はそれでボランティアしてたことがある。
聴覚に障害がある人のために、要約筆記という支援があるのだけれども、大学でそれをしていたことがあるのです。あまり知られていないけれども、うちの大学には何人かの聴覚障害の学生が在籍していて、彼らの講義保障ということで学生課がその支援をしているのです。
(とはいっても、これが始まったのが2001年のことで、じゃあそれまで聴覚障害の学生が大学にいなかったのか?といえばそんなことはなくて、今まで悪くいえばほったかしだったわけで。今もスタッフの数が足りなくて万全とは言いがたいけれども。)
で、とにかく人手が足りないし、とにかくやってみましょう、ということでお誘いを受けたが始まり。
要約筆記は、話者(講義の場合は先生、ゼミならば学生も含めた発言者)の言っていることを要約して書きとめます。で、それを利用者が同時に見るということなんですが。
本当は話者が話したことを全て書ければいいんだけれど、それはやっぱり無理で。仕方がないから要約して書くということになる。本当は、話者が話したことだけじゃなくて、教室の雰囲気とかそんなことまで伝えたいし、伝えるべきやとは思うんだけどやっぱり難しいわけで。
今はパソコンを使った、パソコン通訳を私はしています。専用のソフトを使って、話者の話した内容を記述して、利用者が同時にそれをみる。これだと、手で書くよりも断然情報量は多くなる。けれども、たとえば講義の場合だと、利用者はパソコンに打ち出された画面を読みつつノートをとるという荒業をやってのけなければいけないわけで、先生の口調(「〜ですよねー。」とか)をそのまま記述するよりも、内容を箇条書きにしたほうが読みやすかったりもするわけで、判断が難しいところです。
内容も、たとえば「源氏物語の講義」とかだったらいいんだけど、「外交史」とかになると私はお手上げなわけです。「トウノチュウジョウ」と言われて「頭中将」ってことはわかるから「等の柱状」とかにはならないけれども、「シュウセイシュギ」と言われて「終生主義」とか「習性手技」とか訳わかんない漢字変換をしてしまうことは多々あるわけで(本当は「修正主義」)やっぱり難しいわけです。

それでも私がこれを続けているのは、私にできる何かが、別に大それた何かではないけれども誰かの役に立てるなら、していきたいなという思いがあるのです。まあ今はそれどころじゃなくて、とにかくインタビューをなんとかしなきゃいけないんですけどね。