昨日元バイト先の店長と道ですれ違った。
私は何mか前で彼に気付いたが、気付かないフリをしていた。
彼も気付いたのか気付かなかったのか、ただすれ違っただけだった。
私はその時恋人と一緒に手をつないで楽しく会話しながら歩いていた。
その時彼が隣にいてくれて本当によかったと思う。
たったそれだけの出来事だったけれど、私はまだ悶々としている。

昨年の5月、私はその元バイト先をクビになった。
辞めたわけではない。突然解雇された。
直接の原因はその頃何回かした遅刻と、その頃の私の仕事上のミスだった。
もともと「時間を守る」ことが苦手な私は2ヶ月に1度くらいは遅刻をやらかしていて、それ自体はもちろん褒められたことではないことはわかっている。それに関しては反論の余地などどこにもない。いろいろ頑張ってはみたものの悪癖は直らず、結局解雇されたというだけのことだ。
加えて、その頃バイトの中で一番上の立場にいた(つまり一番給料が高かった)私が、その地位に見合っただけの仕事ができていなかったことが解雇の原因として言われたことだった。発注のミスや後輩に対する指導に不備があったこと、接客の態度等々。もちろん、それに対しても私に反論の余地はない。私のミスはミスだし、後輩に対して上手に(その店で求められたように)指導ができなかったことはその通りだし、何回言われても(他の人のように)接客の際に笑顔でにこやかにやわらかく対応できるようにはならなかったことも、自覚している。

理解することと納得することはイコールではない。
自分の落ち度はよくわかっている。それでもクビを言い渡されたときのあのショックは半年以上たった今でも消えることはない。
人間性に欠陥がある」とか「社会で君は通用しないからこれから先どこに行ってもうまくやっていけない」とか「君がいることはこの店にとって何の利益にもならない。むしろ害だ。」等々…私に投げかけられた言葉の数々と、突然切り捨てられた喪失感と。
私はいまだにその時のことをうまく自分の中で処理することができない。
過去にできていない。

「いやぁーーークビになっちゃったんだよねーあっはっは」


正論は嫌いです。
私のような人間は、正論の前にはただ立ち尽くすしかできません。
己の愚かさと情けなさを噛み締めて、自分で自分に「ダメ人間」という烙印を押すことしかできないのですから。